【6195】 ホープ(新電力関連)電力市場価格急騰の影響とは?

銘柄分析

 

銘柄分析第3弾は、証券コード6195:「ホープ(新電力関連)」について分析します。

最近株価急落中ですが、その原因と今後の期待値について探ります。

企業概要

自治体の持つ様々なスペースを広告媒体として活用する「広告事業」や官民連携・自治体同士のつながりを支援する「メディア事業」、リーズナブルな電力供給による自治体の経費削減に貢献する「エネルギー事業」など「自治体に特化したサービス会社」として様々なサービス展開を行っている会社であり、2016年にマザーズ市場に上場しました。

近年新電力としてエネルギー事業を伸ばしており、株価は急上昇を遂げていましたが、2020年末からの電力市場価格急上昇を受けて、株価は急落中です。(2021年3月20日現在)

事業内容

ホープは以下の3つの事業が柱となっています。

ホープ決算説明資料より抜粋

3つの柱と言いつつも、ぶっちゃけここ最近のこの会社の事業はエネルギー事業がほとんどを占めているといっても過言ではありません。以下のグラフをご覧ください。

ホープ決算説明資料より抜粋

2018年に電力小売事業者として登録し、エネルギー事業に参入してから、約1年後の2019年末には売上の半分を占めるようになり、2020年全体では売上の8割がエネルギー事業でした。今後もこの流れは続き、エネルギー事業の比率は増加していくでしょう。
(このことから、メディア事業や広告事業の説明は割愛し、エネルギー事業について集中的に説明します。)

ホープは新電力として、主に電力市場から電力を調達し、お客さんに電気を供給しています。
このお客さんとしてターゲットとしているのが、病院・学校・市庁舎・下水処理場などの自治体となります。
自治体をターゲットとしているのは、家庭などをターゲットにするよりも、1契約あたりで使用する電力が多く、営業効率がいいのが理由です。

各自治体でも経費削減の流れがあり、乗換えの意欲があることも後押ししています。

ホープ決算説明資料より抜粋

また、下の図のように、自治体の電力市場規模は大きく、約1兆円と試算されていることから、今後も業績拡大の期待があります。

ホープ決算説明資料より抜粋

財務分析

諸基本データ

・現在株価  2,301円(3/20)
・時価総額 145億円
・PER(予) -倍
・PSR(予) 0.5倍
・ROE   22.6%

 

株探より引用

エネルギー事業を開始してから株価は急上昇し、昨年(2020年)11月には上場来高値7,910円を付けましたが、その後急落しており、現在は株価1/3以下となっています。

この原因は、以降でも述べますが、電力市場価格の上昇に起因します。

業績(評価△)

 至近年の業績および来期の業績予想は以下の表のとおりです。

株探より引用

前期(2020期)は売上・利益成長共にとんでもないことになっています。その流れが続き、2021年第2四半期(10月~12月)時点では、売上は予想通り進捗していますが、電力市場価格急騰に伴い、利益は前年比減額となっています。

ホープ決算説明資料より抜粋

利益の減少は今期特有の事象であり、売上は順調に増加していることから〇としたいですが、Q3の利益がどこまでマイナスになるか分からないため、評価は△とします。

配当(評価×)

前期は1株あたり15円でした。配当利回りは現在株価で見ると利回り1%以下となっており、成長企業であることを考えるとこんなものかなという感じです。今期は赤字が見込まれることから配当はないと予想されます。よって評価は×とします。

B/S・自己資本比率(評価×)

B/S表は以下になります。

ホープ決算説明資料より抜粋

短期借入金に対して現預金は十分に確保しており、2021.2Qまでは短期的な支払い上の問題はありません。(差引約31億円)

また自己資本比率は昨年度2Q:14.7% → 今年度2Q:32.8%と上昇しています。これは、昨年度新株予約権行使により資金調達を実施したことによります。

以上から、現時点では財務的に問題ないように見えますが、冒頭からも述べているように、昨年末から今年1月にかけて電力調達費用が急激に上昇しており、間違いなくQ3は赤字となります。Q3の赤字具合によっては会社経営に大きな影響を及ぼす可能性もあります。

そのため、評価は×とします。

*3月20日時点で四季報が発売され、予想が載っていましたが、今期は利益がほぼ0でぎりぎり黒字予想となっていましたが、楽観しすぎな気が、、、

独自分析

これまで述べたことから分かるように、業績は伸びていて有望であるが、近々の決算では赤字が予想され、株価がリスク回避のために下落している状況です。

そのため、以下では赤字リスクについて電力社員の観点からゆる~く分析したいと思います。

以下の表は2019年~2021年までの電力スポット市場(新電力の仕入れ先)の価格をまとめた表になります。*2021年3月以降は2020年度平均価格を予想値で入力しています。

この表から分かるように、電力市場価格は2020年12月が13.93円/kwh2021年1月が63.1円/kwhと大きく上昇しており、1月については昨期の約9倍の価格となりました。

ここで、Q1とQ2の決算と電力市場価格から、利益に対する電力価格 1円/kWh 当たりのインパクトを計算します。2021期のQ1とQ2の決算は以下の表のとおりです。

上記決算の営業利益と、各期の電力市場価格 Q1:5.89円/kWh、Q2:8.0円/kWh から、

Q1営利-Q2営利=1,113百万円
Q2電力仕入値-Q1電力仕入値=2.11円

となり、電力仕入値が1円/kWh上昇する毎に、5.2億円営業利益が減少することが推測できます。

Q3(2021年1~3月)は現時点予想で仕入れ価格(スポット価格平均)26円/kwhでなので、Q2と比較すると5.2億円×(26円-8円)=93.6億円のマイナスとなり、計約98億円の赤字となります。(あくまで今期の決算内容と電力市場価格からの単純予想)

しかし、ホープは電力急騰のあった12月中旬から1月にかけて、市場調達の割合を37.7%相対取引(市場を介さず大手電力等から仕入れる)の割合を62.3%に変えていったことから、単純に計算すると98億円のマイナスのうち37.7%分の約37億円が赤字額となります。(相対取引はこれまでどおりの仕入れ値と同等とした場合)

財務のところで述べたように、手持ち資金が31億円しかない状態で、Q3に37億円の赤字となる場合、資金が足りないため、昨年のように新株予約権による資金調達を実施する可能性があります。

前回は調達資金16.9億円で約7%の希薄化となりましたが、今回37億円分の調達を実施することとなると、約15%の希薄化になります。また、前回増資時に比べて株価が半分になっていることを考慮すると発行数が倍となり、30%の希薄化となる可能性もあります。

ただし、昨年記録した上場来高値から1/3に下落していることを考えると、今後増資が確定し、希薄化が予想範囲内であれば、来期の業績回復を期待して株価が上昇することもあるかもしれません。

今期売上が前期比2倍となっており、前期EPS118円であることを考慮し、もし今期の電力仕入れ値が昨年と同等の価格とすると、EPS236円となります。

来期売上が今期の1.3倍に成長すると仮定すると、希薄化と相殺して、来期EPS236円となります。

PER20倍と想定し、4,720円を目標株価とします。

まとめ

今回は最近株価下落中の「6195 ホープ」を分析しました。

最近躍進が続く新電力で、前期(実績)と今期(予想)で売上+100%超えとなっており、来期も売上増加を見込む急成長株です。懸念材料として、昨年末から今年1月にかけて電力市場(仕入れ先)の価格急騰が発生し、仕入れ値の急増が発生しています。

本事象に関する業績への影響は未だ発表されていませんが、少なくとも手元現金では対処が難しく、融資が確保できなければ昨期に続き増資(希薄化30%程度?)の可能性もあります。

しかし、現在株価は昨期から1/3となり、予想希薄化率よりも大きく落ち込んでいることから、業績への影響(増資含む)が出た後の反転を期待します。

ただし、電力市場の急騰が今後再び発生する可能性もあり、頻繁に起こるようであれば見直しをする必要があるでしょう。

投資はご自身の判断で!

*今後もグロース株について分析していきますので、ご興味がございましたら見て頂けるとうれしいです(^^)

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コメント

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