【6619】 WSCOPE EV需要拡大で売上急成長!黒字転換なるか⁉

銘柄分析

銘柄分析第1弾は、証券コード6619「WSCOPE」について紹介いたします。

この会社はリチウムイオン電池のセパレータを作るメーカーであり、電気自動車(EV)関連銘柄になります。

2017年から赤字が継続しており、2020年には「継続企業前提に疑義注記」となるなど、不安要素はあるものの、これからのEV拡大の波に乗って業績を拡大していくと期待している銘柄です。

以降では、事業内容や財務状況について述べていきます。

 企業概要

リチウムイオン電池のセパレータ―(絶縁材)専業メーカーであり、韓国に生産工場を持ち、韓国電池大手のSamsung SDIやLGが大口取引先です。

携帯電話の普及に始まり、デジタルカメラ、スマートフォン、電気自動車など様々な時代の成長産業においてリチウムイオン電池は欠かせない存在であり、とりわけ最近では電気自動車用のセパレータ―が急成長を遂げており、今後の業績拡大が期待されます。

 事業内容

 WSCOPEの取扱うメンブレンフィルムが活用される分野は以下のとおりです。

WSCOPE 2020.12 決算説明資料より抜粋

特に最近はエネルギーの分野で電気自動車(EV)の需要が急増しています。

下のグラフはEVの将来需要予測とそれにともなうセパレータの需要予測です。

WSCOPE 2020.12 決算説明資料より抜粋

このように急成長を見込むのは、各国で将来的にガソリン車を生産廃止し、EVの生産を増加させる政策に掲げていることが根拠となっています。

日本では正式には発表されていませんが、2020年12月2日の政府の成長戦略会議で、2030年代半ばにはガソリン車販売禁止で調整を進めているとのことです。

これら情勢を踏まえ、WSCOPEは今年4本の新規製造ラインを運転開始することや、来期以降も製造ライン増設を見込んでいることから、今後も業績の成長が見込まれます。

 

 財務分析

諸基本データ

・現在株価 775円(2021年3月11日時点)

2016年に上場来高値3,675円を記録してから、株価は長期的に下落を続けてきました。

以降の「業績」でも述べますが、2016年以降赤字が続いているためです。

最近黒字転換までもう少しというところまで来ており、2020通期決算前に1290円まで上昇しましたが、今期(2021)予想利益が今一つだったため、再び下落しています。

・業績
 至近年の業績および来期の業績予想は以下の表のとおりです。

売上高だけ見ると2018年以降順調に成長していますが、利益までみると、2016年までは黒字でしたが、2017年から赤字に転落し、年々赤字を拡大しています。

これは、2016年までは地域的には中国が主な取引先でしたが、EV補助金政策の変更等により、需要に急激な減少が生じたことが要因です。

これにより2018-19年にかけて主要市場を韓国でのEV需要に切替え、生産量向上に取組んでいましたが、2020年にはコロナショックのあおりを受けて過去最高の赤字額となっています。

2020年の純利益が約-112億円となっていますが、これは子会社の転換社債のオプション評価損-28億円と生産設備の減損-50億円を今期に計上していることが原因であり、一時的な費用になります。

2020年第四四半期の売上が約66億(単純計算で年計264億円)であり、足元では需要が回復していることから、来期以降、利益回収が見込めると予想されます。

(ただ今は赤字がすごすぎる、、、)

配当(評価×)

2018年までは1株配当2.5円でしたが、2019年以降配当は実施していません。至近年は赤字が続いており、財務も悪化していることから、今後もしばらくは無配当が続くものと考えています。

B/S・自己資本比率(評価×)

WSCOPEのB/S表が以下になります。

WSCOPE 決算説明資料 2020.12 から抜粋

資産の部では、生産設備増強に伴い、固定資産が急増し、流動資産が減少しています。

負債・純資産の部では、純資産が減少し借入金が増加しており、特に流動負債が増加しているため、流動比率(流動資産/流動負債)が悪化しています。

このような状況のため、自己資本比率は14.1%となっています。

これまで赤字のたびにワラントを発行しており、そろそろまた発行しそうなのが怖いところです。

 ROE(評価:前期×、今期△)

前期:N/A

来期:10.1%

前期は赤字のためN/Aとなりましたが、今期は黒字転換となり10.1%となる予想となっています。今期は下期から新しい製造ラインが立上がり、収益に貢献しますが、主に来期に期待しています。

独自分析

これまでの決算資料等を元に、ぽん太郎が独自に設備能力を分析した内容が以下になります。

製造ライン運開工程と生産能力

上記表は、製膜ラインとコーティングラインの設備運開工程と、それに伴う生産能力(%、億円)になります。(数年前まで決算資料として公開されていた表に、運開実績工程と予定を書き込んだもの。)

2019年までに設備投資を一部終え、2020年を迎えましたが、コロナにより投資を回収できず2020期を終えました。

今期は需要も回復したことから、設備をフル稼働して生産するとともに、下期から運開予定の14,15号機(年間100億円分生産)も寄与する予定です。

上記表を元に今期の売上を想定したものが下の表になります。

設備容量想定(2019~2021)

上記表は、生産能力の表を元に各年度の売上を計算しています。

2020年はコロナの影響で売上実績185億となりましたが、第4 四半期に限ると売上げ66億(年計算264億)となり、ほぼ設備容量に見合った生産量でした。

2021年は、新規製造ラインが下期いっぱい稼働すると想定した場合、能力的には設備容量329億円程度となり、予想に比較して上方修正余地があります。

また、2022年(来期)は他に工場の新規運開がないとすると、能力的には設備容量379億円程度となります。

来期設備容量を元に、今期の限界利益率から来期業績を計算すると、売上379億、限界利益率0.6、限界利益227.4億円、変動費151.6億円、固定費160億円、営業利益67.4億円、経常利益37.4億円、純利益37.4億円、EPS 98.2円となりました。

(条件:利子30億、前期赤字のため税無し、固定費は前期から想定)

2年程度の長期目線で、PER20倍、目標株価約2,000円と設定します。

*業績予想値はあくまで予想ですので、ご自身の判断にお任せいたします。

まとめ

WSCOPEは、これから需要が急激に高まるEVに関わる製品を製造しているメーカーであり、至近の売上や設備状況から見ても間違いなく売上を伸ばしていくことが予想されます。

一方で、財務状況はかなり悪く、「継続企業前提に疑義注記」になるなど、銀行からの融資が得られなければ、ワラント発行の可能性もあります。

短期で見れば資金繰りで下がる可能性あり、長期で見れば需要の増加と共に業績伸長の可能性ありという、長期投資向けのほったらかしグロース株になります。

「資金繰りが改善するまで待って長期で買えばいいのでは?」という考えもありますが、あまり短期的な取引に持込むと経験上失敗するので、長期的(大局的)に見て買いとしました。

ただし、各国の政策に左右される銘柄ですので、EV関係のニュースを定期的にチェックし、需要の変化によっては見直しも考える必要があります。

投資はご自身の判断で!

*今後もこのような長期保有前提としたグロース株を分析していきますので、興味があったら見て頂き、コメント等頂けるとうれしいです(^^)

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コメント

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